2024年以降の相続に関する改正点
2024年以降の相続手続きの注意点についてお伝えいたします。
まずは、基本的な知識をおさらいし、2024年以降の相続税制度の変更点について解説していきます。
また合わせて、デジタル時代における相続財産の管理方法にも触れていきますので、
今後の相続対応の参考になさってください。
相続手続きの基本知識をおさらい
詳細な説明は他記事にて解説しますので、ここではさらっと相続手続き全体の流れについておさらいします。
(第1ステップ)
相続手続きにおいては、まず、相続人を特定することが重要です。
相続人は、法定相続人と遺言による相続人があります。
法定相続人は、配偶者や子どもなど特定の順位が定められています。遺言による相続人は、亡くなった人が遺言書で指定した人です。
(第2ステップ)
次に、相続財産の洗い出しを行います。
預金、証券、不動産、保険などまずは故人のご自宅にある書類を回収し、現状把握しましょう。
手元にある書類で把握が難しい場合は、下記の方法をお試しください。
・証券→証券保管振替機構(通称「ほふり」)に連絡
・保険→生命保険契約照会制度を活用し有料で調査
・不動産→、行政機関から毎年4月ころに送付されてくる「固定資産税の納税通知書」で調べる、
もしくは、所在する市区町村がわかったら、その市町村役場にて、亡くなった方の所有する財産全ての不動産が記載された「名寄せ帳」の写しをもらう
一つ厄介なのは預金ついては照会制度などがないため、心当たりがある銀行に連絡して調べるしかありません。。
そのため、可能であれば生前に資産を一覧化して管理したり、預金について必要最低限の口座以外は解約するなどをして整理しておかれることをおすすめします。
(第3ステップ)
遺産分割協議書の作成をしましょう。
遺産分割協議書とは、相続人同士の合意を明確にするための書面であり、相続財産をどのように分割するかを定めるものです。
この遺産分割協議書がないと、預金や不動産の名義変更が行えないため、なるべく早めに着手しましょう。
(第4ステップ)
相続財産の評価をしましょう。
相続手続きでは、相続財産の評価額によって、相続税の申告が必要になる場合があります。
特に不動産は、土地の形状などにより評価が難しい場合がありますので、迷われる場合は専門家に相談されることをおすすめします。
2024年以降の相続税制度の変更点
2024年以降の相続税制度の変更点は以下の通りです。
①暦年贈与の生前贈与加算が7年に延長
年間110万円まで、非課税で贈与できる制度はご存知でしょうか?
これまで、相続発生から遡って3年の間で行った暦年贈与は、相続税の対象として計算されるルールでした。
要は、亡くなりそうになって、慌てて贈与してもダメよ、ということです。
2024年からはこの遡る年数が7年に伸びます。 つまり、暦年贈与による、相続税対策の効果が少なくなる、ということです。
②相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が創設、生前贈与加算なし
相続時精算課税制度とは、2,500万円まで非課税で贈与できる制度です。
暦年贈与と比べると、多額の贈与ができてしまうわけですが、当然デメリットもあります。
この制度はあくまで繰り延べをする制度で、贈与したお金は、将来相続税の対象になってしまいます・・ つまり使い所が難しいわけです。
ただ、2024年からはこの制度を申請しておけば、年間110万円までは非課税で贈与することができるようになります。
さらに、先程の暦年贈与と違って、生前贈与加算もありません。
こちらは暦年課税と違って、良い改正となり、使った方が良い方が増えると思います。
③不動産の相続登記が義務化
この改正は、相続後の手続きの面で重要です。
実はこれまでは、相続後の登記が義務ではありませんでした。
そのため、亡くなった方の名義のまま放置されている不動産も多く、 放置していると、休眠資産がどんどん増えていくことを懸念して、今回義務化されることになりました。
特に不動産があって、遺族で揉めそうな場合などは、 期限内に登記できないと罰金が課せられるため、 事前対策がより必要になりそうです。
以上が2024年以降の相続税制度の変更点です。これらの変更により、相続手続きには新たな注意が必要となりますので、相続時には税務署や専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
デジタル時代における相続財産の管理方法
相続財産の管理方法は、デジタル時代になって大きく変化しました。
かつては紙の書類や物理的な資産が中心でしたが、今ではデジタルデータやオンラインアカウントも相続財産となることが多くなりました。
まず、相続財産のデジタルデータを整理することが重要です。
相続人は、故人のコンピューターやスマートフォン、オンラインストレージなどからデータを取り出し、
重要な情報や財産の存在を確認しなければなりません。
パスワードやアカウント情報は、安全な方法で保管しておく必要があります。
次に、相続人はオンラインアカウントを管理する必要があります。
銀行口座や投資口座、SNSアカウントなど、様々なオンラインアカウントが相続財産として残されることがあります。
相続人は、そのアカウントにアクセスする方法を見つけ出し、必要な手続きや移転手続きを行う必要があります。
また、デジタルデータやオンラインアカウントを遺産として残すことを希望しない場合もあります。
その場合は、相続人は故人の意思に基づき、デジタル遺言書を作成することができます。
デジタル遺言書には、デジタル財産の処分方法やアカウントの削除方法などが詳細に記載されます。
デジタル時代における相続財産の管理方法は、紙の書類や物理的な財産の管理方法とは異なりますが、重要な手続きです。
相続人は事前に相続財産のデジタル化について考え、必要な対策を講じることが大切です。
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