初めて相続を学ぶ方必見!相続の基本ルールを分かりやすく解説します

query_builder 2023/09/04 相続 相続税 相続人 遺産分割

「相続ってなんだか大変そう・・」

「身近に感じてきたので、相続のことについて知りたい」

「相続のことがそもそもよくわからない・・」


初めて経験することがほとんどである相続、このようなお気持ちや状況の方も多いのではないでしょうか?

 相続は専門的な知識を必要としますし、それぞれの手続きには期日があります。

期日内に対応しないと、本当は相続したくない借金を相続しなければならなくなったり、優遇制度が使えなくなって、高い税金を負担しなければならなくなることもあるため、心理的な負担は非常に大きいもの。


ただ、実は相続は事前の準備と対策さえやっておければ、かなりの手間とコスト(費用・税金)を省くことができます。


このコラムでは、初めて相続のことを考える方のために、相続の基本を重要な部分に絞って、分かりやすく解説しております。

誰が相続に関係するのか?

相続が発生したとき、誰が関係者になるのでしょうか?

それは「法定相続人」という法律上資産を受け取る権利がある人と、亡くなった方が資産を誰にいくら渡すかを記した「遺言書」に登場する人が関係者となります。

法律上、権利のある法定相続人とは誰かをみていきましょう。



法定相続人には順位があります。


順位は

①配偶者

②子供(子供が先に他界していると、孫がその権利を引き継ぎます。)

③親

④兄弟姉妹

このような順位となっており、順位が高い方から優先して資産が受け取れるようになっています。

そして親族の状況によって、この権利の割合が変動する仕組みにもなっています。


組み合わせによる権利の割合はこのようになっています。





子供がいる場合はシンプルで比較的揉めづらいのですが、配偶者のみで子供がいない場合に、親・兄弟が絡んでくると揉めやすくなります。


なぜなら配偶者と親・兄弟など、直接的な関係が薄くなればなるほど、感情的になってしまうためです。


ここで「遺言書」があると状況は大きく変わります。

基本的には亡くなった方の意志が優先されるため、法定相続の割合よりも遺言書の内容が優先されます。

例えば、資産の全部を兄に相続すると記した極端な遺言が残っていれば、遺産は全て兄が受け取ることになります。


後々詳しく触れていきますが、法定相続人の権利は強く保護されており、一部その権利を主張することは出来ます。


それでも、遺言書がある以上、本来の権利分よりは少なくなってしまいます。

このように、相続は基本的には配偶者・子供・親・兄弟がその対象となりますが、遺言書の有無によって関係者がガラリと変わることがあるのです。


遺産の分け方はどうするの?

遺産の分け方は、

①話し合って分ける

②遺言書通りに分ける


上記、2ついずれかで決めることになります。



①話し合って分ける


意外に思われた方も多いのではないでしょうか?

前節で説明した法定相続分はあくまでも目安であり、この通りに分けなければいけないわけではありません。

残された方たちで話し合って決める必要があります。

ここで話し合いがうまく行かず、調停・裁判となった際には、法定相続分を基準に分け方を議論していくことになります。

なかには話し合いがうまくいかず、何十年もずっと分割協議をしている家庭もあります。


注意点としては、遺言書が残っていない場合は「相続人以外の人は遺産を相続することは出来ない」という点です。

例えば、孫や親しい親族、内縁の配偶者には、相続人全員が同意したとしても相続させることは出来ません。

相続人以外の人に遺産相続させたい場合は、遺言書を残しておく必要があります。



②遺言書通りに分ける


遺言書がある場合は、原則遺言書通りに相続を行うこととなります。

話し合いが不要であるため、遺言書があれば残された方の負担はぐっと減ります。

ただ、「相続人全員が同意」すれば、遺言書に書かれている内容に関わらず、分け方を話し合いで決めることが出来るようになります。

ここで問題になるのは、遺言で特定の人に遺産が偏ってしまい、法定相続分の権利があるにも関わらず1円も権利を受け取れない場合です。


この場合、法定相続人は最低限の権利として資産の受けとりを主張することが出来ます。

これを「遺留分」といいます。

遺留分は遺言書があることで発生する権利です。

あくまでも権利であるため、主張するかどうかを選択することが出来ます。


遺留分のポイントは下記の通りです。

①遺留分はあくまでも法定相続分の半分しか主張することが出来ない

②遺言書があることを知った日から、1年間で効力がなくなってしまう

③兄弟姉妹には遺留分が無い


また2019年7月より遺留分については金銭で行うこととなったため、不動産や自社株など換金しづらい資産割合が多い場合は、この遺留分が現金で確保できないという状況も発生します。

遺言書を作成するときは、常にこの遺留分について注意を払う必要があります。

相続税ってどのくらいかかる?

まず相続税は全ての人が払う訳ではなく、ある一定の金額を超えた資産を持っている人が対象となる税金です。

「基礎控除」というものがあり、それ以下の資産の方は相続税を払う必要はありません。


基礎控除は

「3,000万円+(相続人の数✕600万円)」

で計算されます。

つまり、相続税は相続人が多ければ多いほど少なくなります。

相続税の計算はちょっとややこしいのですが、下記の流れで行います。


(相続税計算の流れ)

①基礎控除を超えた遺産を法定相続分で分ける

②相続人に割り振られた金額に対して相続税の税率をかける

③②で割り出した金額を足して世帯全体の税額を算出する

④③で算出した金額を、実際相続した割合で割り振る



具体的な例でみていきましょう。


(状況)

・遺産は総額1億円

・配偶者、子供2人

・実際の相続は、配偶者70%、子供がそれぞれ15%ずつで分けることとした


(流れ)

①基礎控除は3,000万円+(600万円✕3人)=4,800万円

②1億円-4,800万円=6,200万円

③6,200万円を法定相続分で分ける

→配偶者1/2 3,100万円

→子供 1/4ずつ 一人当たり 1,550万円

④それぞれの金額に相続税率をかける

→配偶者 3,100万円✕20%-200万円=420万円

→子供 一人当たり1,550万円✕15%-50万円=182.5万円

⑤算出した金額を全て足して世帯全体での相続税を出す

420万円+(182.5万円✕2)=785万円

⑥⑤の金額に実際の相続割合をかけてそれぞれの負担額を算出する

→配偶者 785万円✕60%=471万円

→子供 一人当たり785万円✕15%=117.75万円



さらにここから受け取った相続人や資産の条件を満たすと、特例により税金が控除されます。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といったものが代表的ですが、こちらに関しては後述する相続税の対策で詳しく触れていきます。


ここでは遺産の分け方で、大きく税額が変わることがあるということだけ認識しておいてください。

よくある注意ポイントとしては、遺言書によって内縁の配偶者や孫など、相続人以外が相続する場合、法定相続人と比べて相続税は2割加算となり、税金の負担が大きくなることです。

税金の観点からは相続人以外への相続(遺贈といいます)を念頭において、分け方を考える必要がありますので、その点も注意しましょう。

いつまでに手続きしないといけない?

相続の手続きには期限があります。



手続きの細かい部分は別コラムで説明するとして、下記のスケジュールは特に注意してください。



・3ヶ月以内に相続するかどうかの意思決定をしないといけない

・4ヶ月以内に他界した親族の所得を申告しないといけない(準確定申告)

・10ヶ月以内に相続税を納付しないといけない



遺言書がなく、話し合いがまとまらず10ヶ月以内に相続税を納付しなかった場合、本来は使えたはずの特例や控除が一切使えなくなってしまいます。

この場合、一旦法定相続分で相続税を納付した上、「分割見込書」というものを作り、提出しておくことで、3年以内に遺産分割協議がまとまれば、相続税の還付申告を行うことが可能になります。


親族との話し合いがスムーズに進まない場合、分割見積書の作成・提出もすすめていきましょう。

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