認知症になったときの不動産売却を考える

query_builder 2024/10/01 相続 相続人 相続登記

ご相談いただくことの多い相談の一つとして、「認知症になってしまった後の自宅の処理」があります。


ただ、、認知症になってしまった後に自宅を売却しようと思っても、かなり難しいんです。。


この記事では、認知症時の不動産売却を考える上での基礎知識や具体的な手順について詳しく解説していきます。


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はじめに:認知症になってしまったら不動産は売れるのか?

結論、認知症になってしまったら、不動産は売れません。


なぜかというと、認知症などの「意思能力」が無い状態になると、不動産に限らず、契約行為が無効になります。


「例え認知症でも、契約を代理人がしちゃえば、認知症ってばれないんじゃないの?」

という方もたまにおられますが、契約が無効になる可能性がある中で、不動産の売買契約を行ってしまうと、

買主・不動産会社・司法書士など関係者全員が不利益を被る可能性があるんです。


そのため、通常は売買契約を行う場合に、司法書士による本人確認を行い、

「意思能力がない状態である」と判断されれば、売買契約は実行されません。


ただし、認知症が疑われる程度で、「意思能力」があると判断されるなら、不動産を売却できる可能性もあります。


例えば入院中などで、自分で不動産会社に行くことができなくても、判断能力が十分ならば売却は可能です。

この場合には、委任状を準備して親族などが「代理人」となり、売却の手続きを進めることができます。

ではどうしたら?認知症による不動産売却の具体的なステップ

「でも親が認知症になってしまって、施設に入ったことでお金もかかるのに、親の資産といえば自宅くらいしかないから、売って費用を捻出しないと施設の費用は誰が負担するの、、?なんとかなりませんか?」

という相談も良くいただきます。


その場合にとれる手段としては、成年後見制度も活用です。


成年後見制度とは、認知症や知的障害などの理由で判断能力が十分でない人の代わりに、成年後見人が契約を結んだり財産の管理などを行って支援する制度です。


成年後見制度には、大きく分けると「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。

すでに認知症によって判断能力が十分でなくなっている場合には、「法定後見制度」を使います。


法定後見人になれるのは、親族、弁護士、司法書士、社会福祉士、福祉関係の法人などです。

法定後見制度の大きな特徴は、裁判所が法定後見人を選ぶという点です。

家庭裁判所が後見人を選任するときには、後見人の職業、経歴、本人との利害関係、その他の事情を考慮し、後見人として最もふさわしい方が選ばれるため、必ずしも指定した方が選ばれるとは限りません。

また、後見人になることを希望していた親族が選ばれなかったとしても、不服申し立てなどはできない点はご注意ください。


成年後見制度の注意点

「成年後見制度を使えば不動産が売れるなら安心だね!」


ちょっと待ってください!

成年後見制度を活用したとしても、必ずしも不動産を売れる訳ではないんです、、

また、成年後見制度を活用すると、後戻りができないデメリットもあるため、十分な検討が必要です。


●注意点①:一度成年後見制度が始まるとご本人が亡くなるまで続く。

・ご家族が成年後見人に選任された場合、帳簿をキッチリ作成して、定期的に家裁に報告しなければならなくなる。

・司法書士、弁護士などの専門職後見人が選任された場合、家庭裁判所が決定する報酬をご本人死亡まで支払う必要がある。一般的に月額3〜5万円程度の費用が発生します。

・一度申立てをすると、家裁の許可がない限り、取下げ出来ない。

・節税のための贈与などが出来なくなる。


●注意点②:成年後見制度を利用して売却するのに時間がかかる

・成年後見人の選任から実際に不動産売買契約を締結できるまで、通常6〜12ヶ月程度の時間がかかります。


●注意点③:成年後見制度を利用しても売却できない場合がある。

成年後見制度の目的は、被後見人の財産を守ることです。

成年後見制度では、不動産を現金に変えることは「財産を減らしやすい状態にする」と捉えられる傾向があります。

また、売却の必要性を判断する際、成年後見人や裁判所は「家族」の都合をほとんど考慮しません。これは家族にとって厳しい点となります。


◯売却が認められる「相応の理由」の例

・預貯金がほとんどなく、不動産売却しか介護費用を捻出する手段がない

・被後見人の生活や健康維持のために、より適した住環境への移転が必要


✕:売却が認められにくい「相応の理由」の例

・相続対策として

・空き家の管理が困難

まとめ:認知症対策は事前にやることで99%解決

ここまでお読みくださった方は「認知症になった後での自宅売却はかなり難しいんだな、、」ということがお分かり頂いたのではないでしょうか?


そのため、認知症対策は、特に不動産を保有されている人は、認知症になる前にやっていただくことで99%解決することができます!


具体的には、、

「任意後見制度」

「生前贈与」

「家族信託」

「法人化」

などの手段があります。


事前対策についてはまた別の記事で解説しますね!

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